書いてみたいのは色々あるけどとりあえず置いとくと忘れそうな小ネタから。

「昨日より　おとといより　知り合った日の君よりも
　今ここで　見つめている　君が一番きれい
　　　　　　　　　　　　（THE BOOM『光』より ）」

＊当社比かなり甘め？
　まぁ此処見てるヒトはたいがい大丈夫だと思いますが「酸素上等！！」な方のみ続きをどうぞ。
　ある意味捧げ物（笑）
　…あ、でも先に云っておきますがなまぬるくて御免なさい；



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目の前の肩はなめらかで白い。
薄闇にほのかに浮かぶそれを、オラトリオはぼんやりと眺めた。
こちらに背を向けた身体が、呼吸のたびに穏やかに揺れる。じんわりと伝う心地よいあたたかさ。
それを見ながら、別によかったのにとオラトリオは思う。
別に、こんなにも美しくなくてよかったのに、と。
「オラクル」
小さく呼びかけると、寝ていると思っていた身体が身じろいだ。
悪戯でもするように肩に首筋に口付けを落とすと、オラクルが向かい合ように姿勢を変える。何、と問いかける瞳は微かに潤んで、とろりと眠気を含んでいる。
額に打ちかかる髪をかき上げ、そこにも口付けを落とすと、彼は素直に眼を閉じた。

子供の頃から一緒にいる。けれど、こんな形で大切な人になるなんて、昔は思ってみたことなんてなかった。
…だけど、振り返ればずっと特別だった。

「オラクル、好きだよ」
瞼に、頬に、口付ける。
慕わしいのはその本質。皮膚に肉に擁護された、目に見えぬ柔らかな魂。
「もしも、お前が従兄弟じゃなくても。もしも、今と違う形をしていても。男でも女でも、美しくても醜くても。お前が好きだよ」
紡がれる睦言めいた言葉を聴きながら、知っている、とでも云いたげにオラクルは笑んだ。
目を開いて、軽く肩を押しオラトリオを仰向かせると相手の上に身体を乗り上げるようにして両の手でその頬をつつむ。
「オラトリオ、好きだよ」
額に、頬に、口付けを落として。囁くような声で。
一人だけに聞こえるように。
「瞳も髪も輪郭も腕も指も言葉も仕草も、全部全部大好きだよ。今までのどんなお前よりも…今、ここで、私の目の前にいるお前が好きだ」
少し掠れた声が、甘く響く。
「だけど、例えお前が腕を失おうと瞳を失おうと、きっと私はそのお前を好きになる」

そのときの、そのままのお前を。

云い終えると、最後にもう一つ唇に口付けてオラクルはまた横になった。
濡れて光る瞳が瞼に隠される。
眠りに落ちようとするその人をオラトリオが腕に抱きこむ。本当はきつく抱き締めたいのだけれど、もう少し声を聞いたら眠らせてあげたいからと、軽く。
眠る前にもう少しだけと、オラトリオが尋ねた。
「…もし将来ハゲても？」
「ハゲても」
「中年になって腹が出てきても？」
「…それはちょっとそのとき考えさせてもらってもいいかな？」
ひっでぇの、とオラトリオがぼやくと生真面目な声で「髪が薄くなるのは遺伝子だけど、腹が出るのは不摂生だろう？」とオラクルが返した。
笑うオラトリオの身体の揺れに誘われるように、オラクルはとろとろと今度こそ眠りにつく。
そして傍らの優しい温度に引き込まれるように、オラトリオもようやく眠りについた。
おやすみと囁く声は、夜に溶けて消えた。


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IF告白合戦…。
ええと、お二人とも立派にナイスミドルになってくれるものと期待します。てゆーか願います。そしてゆくゆくはロマンスグレー。
いつものクルさんより少し可愛い気がします（当社比）。そしていつものにーさんよりもう少しへたれ？（当社比）かっこいいオラクル＆かっこいいオラトリオが遠のいた気がする（益々・更に）

…あ、ちなみに素直にババーンと表示されないのは私が恥ずかしいからです。



「夜が明けて　朝が過ぎて　いくつ季節が流れても
　いつの日も　その日の君を　愛してもいいですか
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（同上）」